2021.01.15
HOW TO ENJOY TERRA BASE PART1 「雲霧林への憧れ」
連載HOW TO ENJOY TERRA BASEでは、テラベースについての製品コンセプトから、関連アイテムを含めた製品システムや管理のコツまで幅広く取り上げていきます。
一日の大半が霧に包まれているような熱帯雲霧林では、コケ、シダ、ランの仲間などが樹幹を覆いつくすほどに着生し、鬱蒼した独特の雰囲気を醸し出しています。樹木に着生する性質を持ったこれらの植物は着生植物と呼ばれ、みずみずしいコケの姿や個性的なシダの葉姿、ランの花はとても魅力的です。これら着生植物の育成を、自生地さながらの樹幹に着生した状態で楽しめるのがテラベースの特長です。鉢植えや板付けでの植物単体で育成するときにはない景観をつくる楽しさが加わることで、小さいながらも自生地の雰囲気が楽しめます。
自然から学ぶ
熱帯雲霧林に自生する着生植物は空中湿度の高い湿潤な環境を好みます。人工環境下では、テラベースをネオグラス エアやネオグラスパルダなどの水槽内に設置することで、空中湿度の高い環境を用意する必要があります。またコケ、シダ、ランなどの着生植物はそれぞれに好む育成環境が異なるため、これらの植物を混生させる場合には、温度、湿度、照度そして風量などを調整する必要があり、簡単ではありません。それだけに熱帯雲霧林に自生する小型原種ランなどが開花したときの喜びはひとしおであり、こうした経験が自然環境への関心や理解にもつながります。
当然ながら植物は動くことができません。種子が落ちた場所でそれぞれ必死に生き、そこから、光や水分を求めて、生長していきます。上の写真のような長い時間をかけて出来上がった景観がテラベースの目指す究極の姿です。自然界では、ふさわしい場所にふさわしい植物が生きています。どんな植物がどのような場所に育成しているかヒントを探してみましょう。そして、自分のイメージする自然の姿をテラベースに再現することで、楽しみがより深くなります。
今週のテラベース
このテラベースのメイン植物は、本体中部につけたレパンテス・カロディクティオン(Lepanthes calodictyon)とレパンテス・サルタトリックス(Lepanthes saltatrix)です。これら魅力的な南米産の超小型着生ランは環境を整え、株が充実すると、次から次へと葉を展開し、葉の中心から花芽を上げ、一年中、花を楽しませてくれます。Lepanthes属は一般にクールオーキッドと呼ばれ、冷涼な環境が必要とされていますが、この2種は比較的高温でも順調な生長をみせました。葉の網目模様が特徴的で、模様が細かいものや、太いもののバリエーションがあります。
テラベースの上部ではバーボセラ・ハンドロイ(Barbosella handroii)が縁に沿ってゆっくりと生長します。比較的乾燥に強い種類のため、上部に着けることができます。 この種は1年に2度、5月と10月に花を咲かせました。
キシュウェインフィア・シーハニアエ(Cischweinfia sheehaniae)はこの環境では、水分が多かったようで、根が十分に伸長せず、現時点では開花に至っていません。また、フィマティディウム・チランジオイデス(Phymatidium tillandsioides)も頂芽を残し、徐々に作落ちする状況が見られました。ダバリア・レペンス(Davallia repens)はゆっくりと伸長しており、シダを育てるにあたっては、根を乾かせないことが大切で、特に導入直後は気をつける必要があります。テラベースの常に湿った表面はシダ植物にとっても、心地がいいようです。
【DATA】
テラベース L
【植物】
①Barbosella handroii / バーボセラ・ハンドロイ
②Cischweinfia sheehaniae / キシュウェインフィア・シーハニアエ
③Davallia repens / ダバリア・レペンス
④Lepanthes calodictyon / レパンテス・カロディクティオン
⑤Lepanthes saltatrix / レパンテス・サルタトリックス
⑥Phymatidium tillandsioides / フィマティディウム・チランジオイデス
⑦Taxiphyllum sp. ‘Spiky moss’ / スパイキーモス
テラベースの上部ではバーボセラ・ハンドロイ(Barbosella handroii)が縁に沿ってゆっくりと生長します。比較的乾燥に強い種類のため、上部に着けることができます。 この種は1年に2度、5月と10月に花を咲かせました。
キシュウェインフィア・シーハニアエ(Cischweinfia sheehaniae)はこの環境では、水分が多かったようで、根が十分に伸長せず、現時点では開花に至っていません。また、フィマティディウム・チランジオイデス(Phymatidium tillandsioides)も頂芽を残し、徐々に作落ちする状況が見られました。ダバリア・レペンス(Davallia repens)はゆっくりと伸長しており、シダを育てるにあたっては、根を乾かせないことが大切で、特に導入直後は気をつける必要があります。テラベースの常に湿った表面はシダ植物にとっても、心地がいいようです。
【DATA】
テラベース L
【植物】
①Barbosella handroii / バーボセラ・ハンドロイ
②Cischweinfia sheehaniae / キシュウェインフィア・シーハニアエ
③Davallia repens / ダバリア・レペンス
④Lepanthes calodictyon / レパンテス・カロディクティオン
⑤Lepanthes saltatrix / レパンテス・サルタトリックス
⑥Phymatidium tillandsioides / フィマティディウム・チランジオイデス
⑦Taxiphyllum sp. ‘Spiky moss’ / スパイキーモス
次回はテラベース本体と、関連のアイテムについて紹介します。