2021.02.05
HOW TO ENJOY TERRA BASE PART4「テラベースの制作方法」
この連載では、How to enjoy TERRABASEと題し、テラベースの開発コンセプトから、関連製品を含めた製品システムや管理のコツまで、幅広く取り上げていきます。
今回はテラベースをつくる際のポイントを紹介します。
準備するもの
前回の記事を参考に制作にかかわるものを用意します。
・DOOA テラベース 本体
・DOOA テラライン
・佗び草マット (適量)
・着生植物
・DOOA ピンセット
・DOOA シザース
その他に、プラケース、霧吹き、回転台があると便利です。
前回の記事はこちら
・DOOA テラベース 本体
・DOOA テラライン
・佗び草マット (適量)
・着生植物
・DOOA ピンセット
・DOOA シザース
その他に、プラケース、霧吹き、回転台があると便利です。
前回の記事はこちら
1. 水に浸ける
テラベースは表面につけるコケのことを考え、制作の30分前からバケツに入れ、本体に十分水を吸わしておきましょう。水中に沈めると表面から無数の気泡が上がり多孔質であることがわかります。
2. 完成形をイメージする
テラベースに植物を付ける前に、全体のでき上がりをイメージしておきましょう。テラベース表面の水分状態は一様でなく、上部が乾燥しやすく、下部は湿潤になった状態になります。そのため水を好む種類の植物ほど下方部に配置したほうが順調な生長が望めるようになります。特に下部は常にジメジメとした状態になるため、アヌビアスやブセファランドラなどの活着性のある水草の仲間なども適しています。反対に上部は乾燥しがちになりますので、着生ランが適しています。また、最下層の1~2cmにコケを付けても、本体から浸み出し溜まった水に浸かることになり、きれいに育てにくいので、この部分には何もつけないほうが管理がしやすくなります。
3. モスを付ける
まずはテラベースの天面縁にコケを貼り付けていきます。
佗び草マットはスポンジ状のベースの上にコケが薄く生えています。ピンセットを寝かせ、表面のコケを優しく剥ぎます。剥いだコケはテラベース天面にのせていきますが、このとき、モスを厚く敷いてしまうと下部のモスが枯れてしまうので、ピンセットでモスを薄く広げていきましょう。そのときの目安としてはモスを倍の面積に広げるイメージです。
佗び草マットはスポンジ状のベースの上にコケが薄く生えています。ピンセットを寝かせ、表面のコケを優しく剥ぎます。剥いだコケはテラベース天面にのせていきますが、このとき、モスを厚く敷いてしまうと下部のモスが枯れてしまうので、ピンセットでモスを薄く広げていきましょう。そのときの目安としてはモスを倍の面積に広げるイメージです。
4. モスを固定する
テラベースにテララインを結び、天面においたモスを固定しておきます。
天面縁に糸をかけモスを固定する作業は難しく、コツがいりますが、完成のでき栄えを左右する重要な工程ですので、できるだけ丁寧に仕上げましょう。
天面縁に糸をかけモスを固定する作業は難しく、コツがいりますが、完成のでき栄えを左右する重要な工程ですので、できるだけ丁寧に仕上げましょう。
5. 着生植物を付ける
着生植物をつける際には、上から下に向かってテララインで葉やバルブを押さえつけないよう丁寧に巻いていきます。バルブをもつ着生ランは、テララインを根茎の上に通すようにしましょう。アヌビアスなども同様に葉柄の間をぬうように糸で留めます。着生させる植物の重心を意識し、一つの植物につき3~5周留めていきます。
基本的に、植物は光を求めて上方部へと生長していきます。自然に見えるように芽の上方向に向けて、配置しましょう。
基本的に、植物は光を求めて上方部へと生長していきます。自然に見えるように芽の上方向に向けて、配置しましょう。
6. 全体にモスを貼り付ける
着生植物同様、上から下に向かって、テラベースにコケを貼ります。佗び草マットからコケを剥ぎ、垂直面に貼りますので、霧吹きで十分濡らし、コケを丁寧に広げながら付けましょう。コケの付け方はいろいろありますが、回転台にテラベースを置き2cmほどの幅で1段ずつコケを付けテラベースを回しながらテララインで5mm程の間隔でコケを抑えていくと作業がしやすくなります。
下方部までモスを付け終わったら、糸をテラベースに結び付けて終了です。
下方部までモスを付け終わったら、糸をテラベースに結び付けて終了です。
今週のテラベース
【DATA】
TERRABASE M
【植物】
①Dendrobium Hibiki / デンドロビウム・ヒビキ
②Masdevallia gutierrezii / マスデバリア・グティエレシー
③Vesicularia montagnei / クリスマスモス
TERRABASE M
【植物】
①Dendrobium Hibiki / デンドロビウム・ヒビキ
②Masdevallia gutierrezii / マスデバリア・グティエレシー
③Vesicularia montagnei / クリスマスモス
デンドロビウムは乾燥気味のほうがいいという認識でしたが、いい意味で予想が外れました。このデンドロビウム・ヒビキ(Dendorobium Hibiki)は湿り気のあるコケと共生する環境で、3ヶ月の長期間を鮮やかなピンクの花で楽しませてくれました。
右面に2ヶ所見えるのは、ADAのジャングルプランツ・シリーズでも取り扱いもあるマスデバリア・グティエレシーです。根にミズゴケを抱かせテラベースに着けました。
コケの合間から白い健康的な根が確認でき、良好な育成をみせていることがわかります。
こちらも、2芽ではありましたが、開花確認できました。
コケの合間から白い健康的な根が確認でき、良好な育成をみせていることがわかります。
こちらも、2芽ではありましたが、開花確認できました。
花も咲き終え、つくり変えをしようと、モスをはがしたところ、根の張り具合に驚かされました。
コケの下ではテラベースを抱きかかえるように着生根が放射状に広がり、テラベースを一周するほどでした。
このようにテラベースを中心とした育成環境(光・湿度・温度など)を用意すれば、室内でも十分に着生ランの花が楽しめることができました。
根が健康的に育つためには、酸素の供給が必要です。
これはあくまで推測ですが、テラベースに週に一度、注水し、その水がゆっくりと染み出すことで、適度な水分と酸素が供給され続けたことにより根が活性化した可能性があります。根は植物が健康に育つためのバロメーターです。これはすべての植物に言えることですが、植物の状態があまり好ましくないときは、なるべく早く根の状態を確認することをお勧めします。対処が遅れるほど、作落ちし、最悪の場合は枯死することもあるので注意しましょう。
次回に続く。
テラベースのお買い求めは、全国のADA販売特約店またはグリーンショップ(園芸特約店)で。
ADA販売特約店
グリーンショップ(園芸特約店)
コケの下ではテラベースを抱きかかえるように着生根が放射状に広がり、テラベースを一周するほどでした。
このようにテラベースを中心とした育成環境(光・湿度・温度など)を用意すれば、室内でも十分に着生ランの花が楽しめることができました。
根が健康的に育つためには、酸素の供給が必要です。
これはあくまで推測ですが、テラベースに週に一度、注水し、その水がゆっくりと染み出すことで、適度な水分と酸素が供給され続けたことにより根が活性化した可能性があります。根は植物が健康に育つためのバロメーターです。これはすべての植物に言えることですが、植物の状態があまり好ましくないときは、なるべく早く根の状態を確認することをお勧めします。対処が遅れるほど、作落ちし、最悪の場合は枯死することもあるので注意しましょう。
次回に続く。
テラベースのお買い求めは、全国のADA販売特約店またはグリーンショップ(園芸特約店)で。
ADA販売特約店
グリーンショップ(園芸特約店)