2021.02.19
HOW TO ENJOY TERRA BASE PART6 「テラベース向けの生体製品 1」
この連載では、How to enjoy TERRABASEと題し、TERRABASEの開発コンセプトから、関連製品を含めた製品システムや管理のコツまで、幅広く取り上げていきます。
今回はテラベース向けのモス、着生ランについて紹介します。
今回はテラベース向けのモス、着生ランについて紹介します。
テラベースにオススメ 佗び草マット3種
モスをテラベース全体的に付けることで自然感を演出できます。また、着生ランの根の周辺など部分的に付けると保湿作用もあり有効です。時間はかかりますが、そこからゆっくりと生長する美しいモスを楽しむことができます。
ADAで取り扱っている水生コケのうちテラベースで適しているモスは、クリスマスモス、ピーコックモス、スパイキーモスがあります。
クリスマスモスは縮れて下がるように生長します。比較的乾燥にも強く、テラベースに最も適した種類と言えるでしょう。
ピーコックモスは外側に向け生長する傾向が強く、短期間でボリュームが出やすい種類です。その分、トリミングしたときに寂しくなりますが、芽の吹きもよく、比較的使いやすい種類です。
スパイキーモスはピーコックモスのように外に向かう性質を持っていますが、全体に細く、葉が細かいモスでより繊細な印象に仕上げることができます。
ちなみに、ADAの生体製品でモスバックとして販売している水生コケ(一般にウィローモスとして流通)は、水上では生えそろわないことや、生長点が密にならないことから、テラベースには不向きな種類と言えます。
ちなみに、ADAの生体製品でモスバックとして販売している水生コケ(一般にウィローモスとして流通)は、水上では生えそろわないことや、生長点が密にならないことから、テラベースには不向きな種類と言えます。
テラベースを彩る着生ラン
着生ランの一番の魅力は花です。開花は植物にとって一番ドラマチックなイベントと言えます。ランの花の鮮やかな色合いが加わることにより、テラベースが一気に華やかになります。自生地環境に比べ室内環境は光量不足になりやすいので、開花させるためにはパルダライトやマグネットライトGなどの人工照明を使用することをお勧めします。最低でも5,000lux程度の光量を与えるようにしましょう。
ADAの扱う着生ランラインナップの開花時期(ADA調べ)
バルボフィラム・アンブロシアの花(約5時間のタイムラプス映像)
ADAで扱う着生ランの現在のラインナップは冬に咲く種類が多く、現在はディネマ・ポリブルポンやメディオカルカ・バーステージーが花盛りです。花の形や色合い以外にも、葉の形状も選ぶポイントになります。今後、春から夏の間で開花を楽しめる種類も販売を予定しています。
今週のテラベース
【DATA】
TERRABASE M
【植物】
①Sphagnum sp. / ミズゴケ
②Vesicularia montagnei / クリスマスモス
TERRABASE M
【植物】
①Sphagnum sp. / ミズゴケ
②Vesicularia montagnei / クリスマスモス
このテラベースはクリスマスモスを主体に、部分的にミズゴケをつけてモスに表情を付けてみました。写真ではわかりにくいですが、大型のモスを使用することで表面に凹凸が生まれます。ミズゴケは上部ほど密になり、水分が多いほど大型化する傾向が見られました。この作例は実験的な要素が多かったのですが、使用可能なモスの番外編ということで紹介しました。
よく見ると、クリスマスモスが胞子体を上げています。先端が細いものもありますが、これは、若い胞子体です。成熟することで先端が膨らみ、蒴と呼ばれる器官がつくられます。
この中で、胞子をつくり、それを散らすことで、命をつなげます。
よく見ると、クリスマスモスが胞子体を上げています。先端が細いものもありますが、これは、若い胞子体です。成熟することで先端が膨らみ、蒴と呼ばれる器官がつくられます。
この中で、胞子をつくり、それを散らすことで、命をつなげます。
また、モスには仮根と呼ばれる、茶色い毛のようなものが見られます。流木などに活着するための器官であるため、仮根は活着する対象がなく、伸びすぎたモスに目立ってみられます。全体的に赤茶色を呈し、見た目の印象が悪くなるため、カットするようにしてください。
よく観察すると、小さな植物でも緻密につくられており、見れば見るほど、関心させられます。自然が生み出すものはすべて不思議な魅力を秘め、遺伝子を設計図に、小さな形も過不足なくつくり出します。生物の多様性は遺伝子の多様性であり、守らなければならない大切な財産です。植物を観察することを通じて、自然の面白さや魅力を感じていただけたらと思います。
次回につづく
よく観察すると、小さな植物でも緻密につくられており、見れば見るほど、関心させられます。自然が生み出すものはすべて不思議な魅力を秘め、遺伝子を設計図に、小さな形も過不足なくつくり出します。生物の多様性は遺伝子の多様性であり、守らなければならない大切な財産です。植物を観察することを通じて、自然の面白さや魅力を感じていただけたらと思います。
次回につづく