2021.03.12
HOW TO ENJOY TERRA BASE PART9 「テラベース作例 2」
この連載では、How to enjoy TERRA BASEと題し、テラベースの開発コンセプトから、関連製品を含めた製品システムや管理のコツまで、幅広く取り上げていきます。
今回からはテラベースの作例を紹介いたします。ノウハウはこれまでの記事をご覧ください。
今回からはテラベースの作例を紹介いたします。ノウハウはこれまでの記事をご覧ください。
珍奇植物ドリナリアを着生させたテラベース
この作例は、東南アジアを中心に、アフリカ、オーストラリアに生息域をもつ着生シダのドリナリアを活着させたものです。このドリナリアという植物は貯水葉という特別な構造を得ることによって、樹上へとその生息範囲を広げました。貯水葉は生長方向にのびる根茎から出る根を保護します。根は貯水葉によって、湿度が保たれます。自らが育つ環境を自らつくりながら生長していく姿には、野生の逞しさを感じます。ちなみに貯水葉の枯れた葉も保湿という役割を持っていますので、取り除く必要はありません。テラベースは小型植物を活着させてもそのフォルムに変化がありませんが、大型の植物を活着させると、植物のフォルムが面白く、室内に設置するとグリーンがより映えるようになります。
この種以外にも、同様の貯水葉の構造を持つビカクシダなどの植物も健全な育成が見られました。これらの着生植物は一般的には、板付され壁面にかけて楽しむスタイルが一般的です。しかし、水やりの際は、壁から外し潅水した後、水が十分切れていることを確認し、戻さなくてはなりません。また、潅水のタイミングがわかりにくい側面もあります。しかしここで紹介されているテラベーススタイルでは、そうした難しい判断や手間の必要がありません。
この種以外にも、同様の貯水葉の構造を持つビカクシダなどの植物も健全な育成が見られました。これらの着生植物は一般的には、板付され壁面にかけて楽しむスタイルが一般的です。しかし、水やりの際は、壁から外し潅水した後、水が十分切れていることを確認し、戻さなくてはなりません。また、潅水のタイミングがわかりにくい側面もあります。しかしここで紹介されているテラベーススタイルでは、そうした難しい判断や手間の必要がありません。
また多孔質素材であるテラベースは、高い吸水性と毛細管現象により、広い範囲から水分を発散し、湿度環境を保ちます。水やりはテラベース内に与えるだけでゆっくりと全体に供給されます。この作例の場合は、モスをつけていないため、テラベースを水槽で覆う必要はありません。ただし水受けは必要になりますので、ネオグラスエアW20×D20×H8(cm)といった皿型の水槽で維持することが可能です。
【DATA】
テラベース M
【PLANTS】
①ドリナリア・クエルシフォリア / Drynaria quercifolia
テラベース M
【PLANTS】
①ドリナリア・クエルシフォリア / Drynaria quercifolia
東南アジア原産の活着性サトイモ科を楽しむテラベース
インドネシアやマレーシアなどの熱帯雨林の水辺には、さまざまな活着性のあるサトイモ科が分布しています。代表されるのは、ブセファランドラの仲間です。ジャングル奥地の渓流で、岩にしっかりと根を張って水位の増減に適応しています。一見して地味でも、よく観察すると渋いカラーリングに葉脈が浮き出るのものや、鈍く青光りするものなど、独特のワイルドさがコレクターたちを魅了する植物群です。テラベースの垂直な面に着生して、葉を広げる姿に見とれてしまいます。
これらの植物は湿度を好むため、ネオグラスエアにフタをして高湿度を保ちながら育成させました。葉を大きくひろげ、野生味あふれる姿を観賞することができます。一方で、カビが発生しやすい環境であるため、1週間に一度はテラベースに水を注ぎつつオーバーフローさせましょう。テラベース表面やモスに絡む汚れを除去することで、カビを防ぎます。また、テラベースを水槽に戻す直前に、佗び草ミストで養分を補給しましょう。
【DATA】
テラベース S
【PLANTS】
①アリダルム cf. ヴェルタンドルム / Aridarum cf. velutandrum
②ブセファランドラ cf. モトレヤナ / Bucephalandra cf. motleyana
③ブセファランドラ・キシィ / Bucephalandra kishii
④ブセファランドラ sp. ビブリス / Bucephalandra sp. Biblis
⑤ブセファランドラ sp. ベルベット / Bucephalandra sp. Velvet
⑥フェネストラタルム・クルム / Fenestrataarum culum
⑦プルセグロヴェイア・ミニマ / Pursegloveia minima (旧アリダルム・ミニマ)
⑧スキスマトグロッティス・ロゼオスパサ / Schismatoglottis roseospatha
コツボゴケ / Plagiomnium acutum
ピーコックモス / Taxiphyllum sp. ‘Peacock Moss’
スパイキーモス / Taxiphyllum sp. ‘Spiky Moss’
テラベース S
【PLANTS】
①アリダルム cf. ヴェルタンドルム / Aridarum cf. velutandrum
②ブセファランドラ cf. モトレヤナ / Bucephalandra cf. motleyana
③ブセファランドラ・キシィ / Bucephalandra kishii
④ブセファランドラ sp. ビブリス / Bucephalandra sp. Biblis
⑤ブセファランドラ sp. ベルベット / Bucephalandra sp. Velvet
⑥フェネストラタルム・クルム / Fenestrataarum culum
⑦プルセグロヴェイア・ミニマ / Pursegloveia minima (旧アリダルム・ミニマ)
⑧スキスマトグロッティス・ロゼオスパサ / Schismatoglottis roseospatha
コツボゴケ / Plagiomnium acutum
ピーコックモス / Taxiphyllum sp. ‘Peacock Moss’
スパイキーモス / Taxiphyllum sp. ‘Spiky Moss’