2021.04.02
連載:Enjoy DOOA
Enjoy DOOA「西アフリカの幽々たる清流に思いをはせる」
【密林の最奥】アヌビアスの魅力を引き出せるかどうかは、時間経過の表現にすべてが集約されると考えている。西アフリカの熱帯雨林を意識したこのレイアウトは、茂る枝葉によって光が遮られた林床で力強く生きる植物の様子を再現している。自生地のイメージとしては細い流れの清流で、下流に流されないよう確実に流木や岩に活着している姿を表現した。雨季乾季による水位変動で生育環境が劇的に変化するにも関わらず、たくましく生長を続けるエネルギーを感じられるようなレイアウトを目指した。
[SYSTEM DATA]
○パルダライト 60
○システムパルダ 60 W60×D30×H45(cm)
○ミストボックス
○ミストフロー
○ミストフローキャップ
○サーキュレーションファン 40
○メタルキャビネット 60(ブラック)
○パワーコード S-70
○ホーンウッド
○山谷石
○トロピカルリバーサンド
○佗び草ミスト
[植物]
佗び草マット ウィローモス
佗び草マット ピーコックモス
アヌビアス・ナナ
アヌビアス・ナナ プチ
アヌビアス・グラブラ
アヌビアス・キリン
アヌビアスsp. ガボン
2021年1月19日 撮影(ADA)
レイアウト制作・文 内田 成
ⒸAQUA DESIGN AMANO
○パルダライト 60
○システムパルダ 60 W60×D30×H45(cm)
○ミストボックス
○ミストフロー
○ミストフローキャップ
○サーキュレーションファン 40
○メタルキャビネット 60(ブラック)
○パワーコード S-70
○ホーンウッド
○山谷石
○トロピカルリバーサンド
○佗び草ミスト
[植物]
佗び草マット ウィローモス
佗び草マット ピーコックモス
アヌビアス・ナナ
アヌビアス・ナナ プチ
アヌビアス・グラブラ
アヌビアス・キリン
アヌビアスsp. ガボン
2021年1月19日 撮影(ADA)
レイアウト制作・文 内田 成
ⒸAQUA DESIGN AMANO
細流のほとりの季節変化と成り立ちを意識
川沿いの石や流木に群生するアヌビアスはとても魅力的で、それらが自生する景観にはとても心を惹きつけられる。最初の一株は偶然流れ着いた場所で根を下ろし活着することに成功し、その後さまざまな環境変化に耐えながら株を殖やし生長していく。そのような時間の経過の上で成り立っている景観を想像しながら制作を進めた。育成に関しては空中湿度が重要となり、ミストや風を適切にコントロールすることで本来の美しい姿を観賞することができる。システムパルダだからこそ可能な湿潤な自生地を再現したレイアウトとなっている。
水位変動を想像し空間を縦に広くとらえる
システムパルダ特有の広い面を一つのキャンバスとして捉えながら、素材を立てかけるように配置しそこをアヌビアスの安定的な着生景観として再現した。
システムパルダ特有の広い面を一つのキャンバスとして捉えながら、素材を立てかけるように配置しそこをアヌビアスの安定的な着生景観として再現した。
1.流木でできた洞穴
水中に沈む時期は魚の、水上であれば爬虫類や両生類の絶好の隠れ家になっていたことだろうと想像しながら制作。生き物を常に意識しながらレイアウトを制作することは必要不可欠であり、自然との共生を感じる水槽へと昇華させることができる。
水中に沈む時期は魚の、水上であれば爬虫類や両生類の絶好の隠れ家になっていたことだろうと想像しながら制作。生き物を常に意識しながらレイアウトを制作することは必要不可欠であり、自然との共生を感じる水槽へと昇華させることができる。
2.発達したクチクラ層
水上陸上に適応できる水草であるが、空気中への適応を果たした葉に現れる艶感は何とも美しい。パルダライトによりその美しさが際立っている。
水上陸上に適応できる水草であるが、空気中への適応を果たした葉に現れる艶感は何とも美しい。パルダライトによりその美しさが際立っている。
3.水槽の中に生まれる多様性
波状の葉の形状が美しいアヌビアス・キリン。同じアヌビアス属でも形状の異なる葉をうまく配植することで作品としての奥深い自然感が生まれてくる。
波状の葉の形状が美しいアヌビアス・キリン。同じアヌビアス属でも形状の異なる葉をうまく配植することで作品としての奥深い自然感が生まれてくる。
4.トロピカルリバーサンド
白い化粧砂は川の景観を表している。川の水位が上下する環境を表現するため、水が3〜5cmほどたまることも想定して流木や石を配置している。
白い化粧砂は川の景観を表している。川の水位が上下する環境を表現するため、水が3〜5cmほどたまることも想定して流木や石を配置している。
次世代のパイオニアシステムを使いこなす
スマート電源タップであるパワーコードS-70を使用すれば、自然界さながらの環境再現が可能となります。ミストフローとサーキュレーションファン40の作動時間を調整することで、適切な育成環境をつくり出し、植物本来の美しさを引き出しましょう。水槽内の環境は刻々と変化するため、よく観察し人の目で状態を見極めることも肝心です。
一般的な管理タイムライン
最も一般的なタイムラインの一例。これを基準に植物の種類によって、ミストフローやサーキュレーションファン40の作動時間の調整を行います。
最も一般的なタイムラインの一例。これを基準に植物の種類によって、ミストフローやサーキュレーションファン40の作動時間の調整を行います。
アヌビアスに適した管理タイムライン
アヌビアスを美しく育てるためのタイムラインのポイントは高い空中湿度の維持です。そのためミストフローの作動時間を長くとっています。またサーキュレーションファン40をミストフローが止まった後も、さらに5分間作動させ、水槽内の湿度を下げています。それはガラス面の結露防止だけでなく、アヌビアスがムレにより溶けるのを防ぐ狙いもあります。このタイムラインの場合、水槽底面に水が溜まるのが早いため、排水のタイミングが早くなるので注意しましょう。
アヌビアスを美しく育てるためのタイムラインのポイントは高い空中湿度の維持です。そのためミストフローの作動時間を長くとっています。またサーキュレーションファン40をミストフローが止まった後も、さらに5分間作動させ、水槽内の湿度を下げています。それはガラス面の結露防止だけでなく、アヌビアスがムレにより溶けるのを防ぐ狙いもあります。このタイムラインの場合、水槽底面に水が溜まるのが早いため、排水のタイミングが早くなるので注意しましょう。
一歩踏み込んだメンテナンステクニック
1.パルダクリーンPCで水垢を防ぐ
水槽壁面のカルシウム汚れ防止のため、パルダクリーンPCを使用する。ミストフロータンク内右側に投入することで流水にあたることになり、全硬度を効率的に下げることができる。定期的な交換も専用ステンレスメッシュフタを外すだけで容易に行うことができる。
水槽壁面のカルシウム汚れ防止のため、パルダクリーンPCを使用する。ミストフロータンク内右側に投入することで流水にあたることになり、全硬度を効率的に下げることができる。定期的な交換も専用ステンレスメッシュフタを外すだけで容易に行うことができる。
2.日々の注水作業も愉しむ
ミストフロータンクに直接給水すると出水スリットから排水される限度を超え、カスケード部から水が落ち水槽内に溜まってしまうことがある。そのため、ミストフローボックス内の静音スポンジに水があたるよう水差しなどで給水を行う。
ミストフロータンクに直接給水すると出水スリットから排水される限度を超え、カスケード部から水が落ち水槽内に溜まってしまうことがある。そのため、ミストフローボックス内の静音スポンジに水があたるよう水差しなどで給水を行う。
3.風通しの重要性
ここではサーキュレーションファン40を外へ排気するように設置することで、湿度を緩やかに降下させ適度な湿度を保った。風通しを良くすることで過度なムレを防ぎ最適な環境を再現している。
ここではサーキュレーションファン40を外へ排気するように設置することで、湿度を緩やかに降下させ適度な湿度を保った。風通しを良くすることで過度なムレを防ぎ最適な環境を再現している。
4.定期的な洗浄がオススメ
高吸水スポンジは使用にともない汚れや臭いが気になることがある。定期的にスーパージィを5Lの水にキャップ1杯(8mL)投入し、もみ洗いを行う。
※洗浄作業を行う際は手袋を着用。
高吸水スポンジは使用にともない汚れや臭いが気になることがある。定期的にスーパージィを5Lの水にキャップ1杯(8mL)投入し、もみ洗いを行う。
※洗浄作業を行う際は手袋を着用。
持ち味を活かし使いこなす
テラテープの巻き数で根元の太さを変え、流木や石の隙間にフィットさせる。素材の特性により手で切ることができ、また自着性があるため糸などで止める必要がなく使いやすい。
テラテープの巻き数で根元の太さを変え、流木や石の隙間にフィットさせる。素材の特性により手で切ることができ、また自着性があるため糸などで止める必要がなく使いやすい。