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NATURE IN THE GLASS -水中の煌めき-

水草の配植と長期維持で完成度を高めた三角構図のレイアウト


[ 水中の煌めき ]
今回のレイアウトは、大きめの流木を大胆に組んだオーソドックスな三角構図とした。大きな流木は水草が繁茂した後も存在感が失われず、水の流れを感じさせる。水草の配植も基本に則っているが、シダの植栽にはリスボン海洋水族館での40m水槽制作の経験を生かしている。時間の経過とともに、さらに鬱蒼とした水景となるだろう。ポイントで数カ所に植栽したテープ状の水草にも、水中景観らしさを表現する意味を持たせている。中景に多く植栽したクリプトコリネも見どころの一つであり、構図を組む際に植栽する場所を意識して流木を配置している。ミクロソラムとクリプトコリネを合わせた水景には、やはりコイ科の魚がよく似合う。

DATA


撮影日:2019年2月13日(ADA)
水槽:キューブガーデン W180×D60×H60(cm)
照明:ソーラーRGB×3基 1日9時間点灯
ろ過:スーパージェットフィルターES-2400(バイオリオL)
底床:アクアソイル-アマゾニア、パワーサンド・アドバンスL、バクター100、クリアスーパー、トルマリンBC
CO2パレングラス・ビートル50Ø、CO2ビートルカウンターで1秒に5滴(タワー使用)
AIR:リリィパイプP-6 17Øによるエアレーション 夜間消灯時15時間
添加剤:ブライティK、グリーンブライティ・ミネラル、グリーンブライティ・ニトロ
換水:1週間に2度 1/3
水質:水温25℃(pH:6.2・TH:20mg/L)

水草









































































ハイグロフィラ・ポリスペルマ
アルテルナンテラ・リラキナ
ルドウィジア・レペンス
ロターラ・福建省
ロターラ・グリーン
ロターラ・セイロン
エキノドルス・アングスティフォリウス
ショート・ヘアーグラス
クリプトコリネ・ペッチー
クリプトコリネ・ウェンティー グリーン
クリプトコリネ・ウェンティー ブラウン
クリプトコリネ・ウェンティー トロピカ
クリプトコリネ・アクセルロディ
ミクロソラム・プテロプス
ミクロソラム・ナローリーフ
ミクロソラム・クラビ
ウィローモス



魚種





































レッドライン・トーピードバルブ
ラスボラ・ヘテロモルファ
ミクロラスボラ・ブルーネオン
プンティウス・ジョホレンシス
チェリーバルブ
サイアミーズ・フライングフォックス
オトシンクルス
ヤマトヌマエビ

シダの配置にこだわった天野 尚の意志を継ぐ王道のネイチャーアクアリウム

ネイチャーアクアリウムらしい水景をつくろうというコンセプトで制作を始めた今回のレイアウト。このような基本に忠実なレイアウトでは、やはりシダの配置が決め手となってきます。まず、不等辺三角形となる3カ所に大きめのミクロソラム・ナローリーフを配置し、その後バランスを見ながら配置する箇所を増やしていきます。もちろん全体のバランスを見て配置していくのですが、流木のくぼみや二又となっている箇所など、自然界でシダが着生していそうな場所に配置するのが肝心です。また、流木の先端のほうにあまり配置していないのは、枝先による流れの表現を意識しているためです。このようなシダの位置の決め方には、ポルトガルのリスボン海洋水族館で天野とともに40m水槽のレイアウト制作を行った経験が生きています。
ポルトガル・リスボン海洋水族館で40m水槽のレイアウト制作を行う天野 尚(2015年2月)。流木へのシダの配置にも細かく指示を出す。
荒木 大智もシダの配置を行なったスタッフの一人。その経験が今回のレイアウトに生かされている。
シダの配置はレイアウト制作の最後の仕上げに行う。自然感の表現とレイアウト全体のバランスを考えながら行うのがポイント。
まず、不等辺三角形を描く3カ所に大きめのシダを配置。水の流れを表現する流木の枝先にはシダは配置していない。(2018年7月19日 撮影)

ネイチャーアクアリウムの醍醐味時間経過で増す水草の美しさと自然感

この水景は植栽から4カ月後と7カ月後の2回撮影を行なった。時間経過によって水草のボリュームと自然感が増している。(2018年11月29日 撮影)
アルテルナンテラ・リラキナは他の水草と混栽すると茂みの中に飲み込まれやすいので、健康に生長できるように周辺の水草をこまめに摘み取ってコントロールする必要がある。
通常は背景に配植することの多いテープ状の水草をあえて有茎草の手前に植栽することで、ネイチャーアクアリウムで重要な水中感を表現している。長期維持によりテープ状の水草の密度も増した。
中景から手前に東南アジア産の水草を多く植栽し、同じく東南アジア産の魚を泳がせることで水景に調和を与えている。たくさんのコイ科の魚からサイズと遊泳層を意識して魚種を選択した。
シダやクリプトコリネ、テープ状の水草などは、植栽から十分なボリュームになるまでに時間を要することが多い。流木に配置したシダも時間の経過によってボリュームが増している。
中景のクリプトコリネは場所によって種類を変えて植栽。重心付近には比較的大きくなる種類を植栽し、空間に向かって小さな種類を植栽することで、水景の遠近感を強調している。
制作工程の様子は動画で公開しています。ぜひご覧ください。

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