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GREEN information #1 「熱帯の水草も越冬します」

熱帯の水草であっても、多年草や耐寒植物は日本でも茎や根がそのまま越冬することがあります。越冬した多年草や耐寒植物は種子から発芽する一年草よりも早く生長を始めることができ、生存競争のバランスが崩れてしまう恐れがあります。
「特定外来種オオフサモによって水面を覆われた池」
春には雪解けによる増水や日照時間が延びることで水温が上昇するなど、水や光、温度といった芽吹きに良い環境が整っていきます。種子で越冬していた一年草はこの時期に発芽し始めます。発芽と発根には種子の中のエネルギーを使用し、葉が展開すると光合成ができるようになります。また根を張ることで土壌から栄養を吸収できるようにもなり、植物体として大きく成長していくようになります。
「イネ科、セリ科、タデ科など多くの水草たちが競って生長している草地」
この写真の場所はヨシやマコモ、ガマ、セリ、ミゾソバといった水辺を好む種類からスギナやオヒシバなど身近な雑草も多数観察できるところです。根茎を残し越冬する多年草として生活している植物たちも確認できますが、一方で花を咲かせて種を残していく一年草が見られます。このような風景に環境流出してしまった植物が定着するとどうなってしまうのでしょう?

越冬する多年草や耐寒植物は茎や根を残したまま定着し、そこから葉を展開することで生長が始まります。種子よりも大きく、エネルギーをもった状態で越冬していると春の生長開始時点で優位な状態といえます。春には優位に立った耐寒植物たちが群生域を増やし、水面や地表を覆ってしまい、一年草の種子が発芽・生長するための光が奪われていきます。このように一年草が競争相手の場合、定着した耐寒植物は早い段階で勢力を拡大することができます。
「在来種のミゾソバ。秋に可憐な花を咲かせる。背後にはオオフサモの群落が広がる」
夏から秋にかけての開花、結実の季節にも定着した植物たちは勢力を拡大しており、一年草が越冬に向けて種子をつくりますが、その種子は耐寒植物の根元で越冬することになります。他の植物に覆われていると一年草の種子は春の発芽や生長に大きな影響がでてしまいます。

このような生存競争は2年目、3年目と月日が経過するに連れて差がどんどんと広がっていき日本原産の一年草が見られなくなることも珍しくありません。このようなことが起こると生存競争のバランスが変化し、自然のサイクルが崩されかねません。
「一欠けらからでも巨大な群落を形成することもある」
私たちは古来、形成されてきた美しい風景を壊してしまわないよう、植物と環境への意識向上を伝えていきます。環境への影響があるということを念頭に、植物が与えてくれる癒しや楽しみを享受しながら環境流出を防ぐための啓蒙活動を続けていきます。自然生態系の本来あるべき姿を大きく変えてしまわないためにも

「植物の環境流出を防ぎましょう。環境影響への意識を持ちましょう。」

グリーン・マナーを守って植物の育成をお楽しみください。

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