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GREEN information #4「植物育成を長く楽しむために」

私たちが育成を楽しむ植物たちは、世界中の様々な地域に生育しています。その植物たちが、どのように私たちのもとにやってくるのか考えてみませんか。
私たちの身の回りには多種多様な植物たちがあふれている。
植物は、観賞価値を高めるなどの有用な形質を持たせた“栽培種”と、古くから自生地に生育する“原種”の2つに大別されます。観賞用植物では、国内外のファームなどで増殖・育成された栽培種と、自生地より採集された原種が流通しています。一部の原種では、栽培種と同様に栄養繁殖などによる増殖が行われていますが、栽培方法が未確立の種は現在でも自生地採集に頼っています。店頭でよく目にする、“野生採集品”、“ワイルド個体”というような付加価値をもたせた販売も少なくありません。

採集が継続的に行われれば、自生地の自然環境に影響を与えることは避けられません。自生地の植物たちは限りある貴重な資源であり、自然界が持つ再生力を上回る採集をすれば個体数は減少し、ゆくゆくは生態系へ悪影響をおよぼすでしょう。乱獲のような、人間本位の採集が行われたとき、崩れた植生バランスの回復には長い歳月が必要になります。個体数が減少した植物種には自生地保護や輸出規制などの制限がかけられ、保全が図られます。そうなれば長期間流通は停止し、私たちはその時初めて、その植物が貴重な種であることに気づかされます。

乱獲などの脅威から貴重な植物資源を守るには、植生の再生期間を考慮した採集を行なうなどの持続可能な方法を選択し、自生地への影響をできるだけ減らしていく努力をしなければなりません。
観賞用の山野草として流通するショウジョウバカマ。自生地では無断採集の注意喚起が行われている。
自生地保全に貢献できる技術の一つとして、植物組織培養があります。栄養分を含ませた寒天培地上で植物組織などを培養し、効率的に植物体を増殖させることができます。温度や光量が一定の環境下で培養することができるため、季節などの環境変化の影響を受けない安定した苗生産が期待できます。自生地採集に頼らない苗生産が実現すれば、さまざまな地域の植物資源を守ることもできるでしょう。
植物組織培養による増殖例。一定の環境下で安定的に持続可能な生産が期待できる。
日本では古来、里山と呼ばれる人と自然が密接な関係になっている環境が存在します。この環境下において、人は生態系の一員として、動植物の採集を行いながらも環境への影響を意識しながら持続可能な活動を行っていました。山菜を例に挙げると、採集を行う際には根こそぎ取らず、一本以上または株の一部分を残しています。これは、翌年以降も継続して採集することを考慮した、先を見据えた計画性のある行動です。

近年、このような自然資源の持続可能な利用が注目を集めています。環境維持を意識した行動を続け、自然と共生する社会を実現していく「SATOYAMAイニシアティブ」という取り組みも行われており、現代の生態系のあり方が見直されてきています。
山菜として有名なフキノトウ。里山では山菜などの木の芽や草花は1つ以上生長点を残るよう採集が行われる。
アクアリウムやインテリアグリーンといった生き物とのつながりの根底には必ず自然環境が存在しています。自然環境と私たちの関わり方について、未来を見据えて考えてみてはいかがでしょうか。

「植物の環境流出を防ぎましょう。環境保全の意識を持ちましょう。」

グリーン・マナーを意識して植物の育成をお楽しみください。

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